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病気・医療

働き盛りに多いドライアイ 目薬の使い方に注意 間違うと症状悪化も

 

2012/8/3 日本経済新聞 夕刊

 働き盛りの世代を中心に眼の疲れや乾きなど「ドライアイ」の症状に悩む人が増えている。日本眼科学会によると、全国の患者は推計約800万人。コンタクトレンズの普及に加え、パソコンや携帯電話の使用時間が長くなっていることが目に負担をかけている。市販の点眼薬の間違った使い方で症状が悪化し、放置すると感染症になるおそれも。治療の選択肢は広がっており、専門家は早めの受診を呼びかけている。

ドライアイの診断では、目の表面にある傷や涙の量を調べる(吉野眼科クリニック)

 神奈川県の会社員、稲葉尚子さん(28)は5カ月前、涙の排出口をふさぐ「涙点プラグ」という治療を眼科で受けた。社会人になったころからコンタクトレンズの不快感に悩んでおり、目薬では思うように改善しなかった。

 この治療法は、目頭の上下にある涙点をシリコンやコラーゲンの小さなプラグでふさぎ、目の中に涙をとどめる。両目の涙点計4カ所をすべてうめる費用は保険3割負担の人の場合で1万円程度だ。

 「装着にかかった時間はほんの数分。痛みは感じなかった」と稲葉さん。「何度点眼しても目がごろごろして辛かった。今はほぼ気にならない」という。

 ドライアイは涙の質や量が低下することで、目の表面の健康が保てなくなる病気。目の表面はもともと凹凸があり、涙が表面に乗ることで一枚のきれいなレンズになる。ドライアイの人は涙が目の表面にうまく乗らず、レンズがゆがむため物が見えづらくなる。

 主な症状は目が乾く▽光がまぶしい▽目やにが出る▽目がごろごろする▽目がかすむ――など。

 慶応大病院(東京・新宿)の小川葉子医師は「涙には殺菌作用があり、少ない状態を放置すれば、目の周りで感染症が起きやすくなる」と話す。悪化すると、慢性的な頭痛や肩こりに発展することもある。

重症なら軟こう

 治療の選択肢は増えている。軽度の患者はまず人工涙液タイプの目薬が処方される。最近、目の表面で涙を保持する「ムチン」の分泌を促す目薬も登場した。「重症の場合でも、防腐剤の入っていないものを使うだけで、症状が改善する場合も多い」(小川医師)。

 涙点プラグは目薬で改善しない場合に有効とされる。「朝、目が開かない」などの症状には、就寝前に目の中に入れる「眼軟こう」が効く。自分の血液を薄めた「自己血清」は重度の患者に点眼させる。

 ドライアイ外来を置く吉野眼科クリニック(東京・台東)の吉野健一院長は「失明などにつながる重篤な例は少ないが、なかなか治らない慢性疾患。つらかったり生活に困ったりするようなら医師に相談して症状や程度に合った治療を見つけてほしい」と話す。

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