旅行・レジャー

温泉食紀行

岐阜・郡上 アユ 長良川沿い、列車でのんびり

2012/7/31 日本経済新聞 プラスワン

アユを様々な料理で味わう

 「郡上のナァ、八幡出てゆく時は、雨も降らぬに袖しぼる」と唄い手の声が夜空に響く。三味と笛、太鼓の音にのり、老若男女が輪になって踊りだす。郡上八幡(郡上市)で約400年にわたり踊り継がれる「郡上おどり」の幕が開けた。

 郡上おどりは、郡上藩主であった遠藤慶隆が士農工商の融和を図ろうと、藩内の盆踊りを城下に集めたのがきっかけといわれる。誰でも参加できる踊りとして全国的に人気だ。郡上八幡の各所で9月上旬まで催され、中でも8月13~16日の「徹夜おどり」は、明け方まで続く。

 夏は長良川のアユがおいしい。郡上市には駅舎とつながった変わり種の温泉もある。夏の郡上の旅に出た。

 名古屋を経由し、美濃太田から長良川に沿うように走る長良川鉄道の小さな車両に乗り込む。車窓からは清流が夏の太陽にきらめいている。長良川は良質の苔(こけ)が豊富で、よいアユが育つといわれている。朝、東京をたち、ちょうどお昼時。木尾(こんの)駅で途中下車し、アユ料理に舌つづみを打つことにした。

 立ち寄ったのは「のどかの味処みやちか」。頼んだのはアユづくしのコース。空揚げをかじると香ばしく、かすかな苦味がこれまたいい。珍しい活き造りはコリコリとした食感。塩焼きの身はしっかりとしていて、身離れがよい。ふっくらとたかれた甘露煮は絶品だ。8月上旬から10月まで、目の前の長良川にやなも設置され、食事の際にやな漁体験(無料)もできる。

旅行・レジャー