旅行・レジャー

温泉食紀行

鳥取・鳥取温泉 白イカ 口に広がる濃厚な甘み

 

2012/7/10 日本経済新聞 プラスワン

新鮮なイカを味わう

 温泉というと、山や海の温泉街や秘湯を思い浮かべる方が多いかもしれないが、市街地にわく「まちなか温泉」も味がある。市民に愛される温泉銭湯をめぐったり、街を散策したりといった楽しみがあるからだ。鳥取温泉(鳥取市)はその典型で、鳥取駅のすぐそばでわく。「永楽温泉町」「末広温泉町」など町名にも温泉の名がつく温泉郷だ。

 鳥取の夏の味覚のひとつに「イカのトロ」と呼ばれ、身が柔らかく真っ白な「白イカ」がある。そこで、賀露(かろ)港(鳥取港)に水揚げされる旬の白イカと「まちなか温泉」を味わおうと、初夏の旅に出た。

 東京から鳥取までは、わずか70分ほどの空の旅。港までは空港から車で5分。早速、ランチに白イカをいただきに行く。向かったのは港に面し「元祖いか丼」が名物の山田屋。宿もやっているが、昼は食事どころとして営業している。

 まず運ばれてきたのは、予約しておいた白イカの姿造り。大きさにもよるが、通常1杯で2~4人前だ。短冊に切られた身を箸ですくい、豪快に食べ始める。ショウガじょうゆでいただくのが鳥取流。柔らかな身を噛みしめると、濃厚でふくよかな甘みが広がった。お好みでゲソは天ぷらにしてくれる。

雄大な鳥取砂丘

 続いて、ランチで人気の「元祖いか丼」が登場。丼に盛られた白イカの刺し身の上から、秘伝のタレとイカのもろみ漬けを加えてよく混ぜる。飯の中にいためた白イカの身やゲソが隠されていて、これらが絶妙に混じりあい、実にうまい。イカとともに載せられた特産の長イモのシャキシャキとした食感もあいまって、あっという間に平らげた。

 満腹になった腹をさすりながら、出かけたのは、鳥取砂丘。無料サンダルを借り、広い砂丘の丘を登る。その向こうには、真っ青な日本海が広がっていた。広々とした砂丘散策はとても爽快だ。鳥取砂丘周辺は「らっきょう」が名産。秋には薄紫色の花が咲く。

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