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洗髪は男性1日1回、女性2日1回 フケを防ぐ頭皮ケア

 

2012/7/5 日本経済新聞 プラスワン

 本格的な汗の季節がやってきた。頭皮を清潔にしておかないとフケやかゆみ、抜け毛につながる恐れがある。最近は頭皮(スカルプ)ケアをうたったシャンプーなどもある。頭皮を健やかに保つために、どうすればよいか。専門家に聞いた。

 「フケもアカも似ている」と話すのは、東京都皮膚科医会の会長で大路皮膚科医院(東京都武蔵野市)の大路昌孝院長だ。「新陳代謝で古くなった皮膚表面の細胞(角質)がはがれ落ちたものがフケや

 本格的な汗の季節がやってきた。頭皮を清潔にしておかないとフケやかゆみ、抜け毛につながる恐れがある。最近は頭皮(スカルプ)ケアをうたったシャンプーなどもある。頭皮を健やかに保つために、どうすればよいか。専門家に聞いた。

 「フケもアカも似ている」と話すのは、東京都皮膚科医会の会長で大路皮膚科医院(東京都武蔵野市)の大路昌孝院長だ。「新陳代謝で古くなった皮膚表面の細胞(角質)がはがれ落ちたものがフケやアカの正体で、だれにでも出る」

■原因は菌の増殖

 一般に頭皮は体表(皮膚)より皮脂腺が多く毛穴も大きい。凹凸もあり、皮膚より皮脂や汚れが落ちにくい。角質片は通常さほど大きくなく、量も少ないため気にならない。これが、はがれ落ちる量が増え、目立つようになった状態が「フケ症」という頭皮の病気だ。

 皮脂の分泌が多い人にフケ症は目立つ。女性より男性が多い。皮脂を食べるカビの一種である菌(皮膚常在真菌)が増殖することによって起こり、この原因菌はほぼ誰にでも存在する。だからこそ、余分な皮脂を取り除いて増殖を防ぐため「心して洗髪する必要がある」(大路院長)。

■男性1日1回、女性2日に1回

 ただ、洗いすぎると皮脂や菌を必要以上に失ってしまい頭皮の保護機能が低下するので注意が必要。潤いが失われて乾燥し、それがフケの原因になる場合もあるという。

 日本毛髪科学協会(東京都新宿区)によると、洗髪の頻度は男性は1日1回、女性は2日に1回程度で十分という。五百円玉サイズの量のシャンプーをつけ、泡立てながら全体に伸ばし洗う。つめをたてず、指の腹で、頭皮を生え際から頭頂部に向けてマッサージしながら洗うと血行改善にもなる。3分ほどかけ「やさしく入念に洗い、すすぎを十分に行う」のがポイントだ。

 夏場は寝ている時も汗を多くかくので、前夜に洗髪しても翌朝シャワーを浴びたくなることも多いが「髪の汗はお湯で落ちるので、流すだけでよい」(同協会)という。

 一方、シャンプーを適切に選ぶことも重要だ。特に最近は店頭などで「スカルプシャンプー」なるものが目につくようになった。一般的なシャンプーより価格が高めの商品が多いが、どこが違うのか。

■頭皮への刺激が少ない

 「明確な定義はない」とメーカーの担当者は口をそろえる。だが、この分野で大手のアンファー(東京都中央区)や、昨秋ミドルエイジ層の男性向けに商品を発売した大塚製薬(東京都千代田区)によると「含んでいる成分が違う」。

 普通のシャンプーは洗浄成分(界面活性剤)が石油系で、洗った髪をサラサラにしたり、つやを出したりするためにシリコーンを含んでいるものが多い。片やスカルプシャンプーの多くは洗浄成分がアミノ酸系でシリコーンを含んでいない(ノンシリコーン)。アミノ酸系は自然の成分に近く頭皮への刺激が少ないという。またシリコーンは髪や頭皮に付着しやすく、毛穴につまりやすい面があるとされる。

 頭髪専門外来、脇坂クリニック大阪(大阪市)の脇坂長興院長は「まずは頭皮を第一に、髪のつやなどはその次に考えることが大事」と指摘。その上で一般的には「アミノ酸系でノンシリコーンタイプのシャンプーがおすすめ」という。

 ただ、石油系は泡立ちや洗浄能力に優る場合もある。「しっかり洗いたい」「髪につやを出したい」など、頭皮の状態や目的に応じて使い分けるのがよい。

 頭皮を清潔に保つことはもちろんだが、頭皮ケアには日ごろの生活面での注意も欠かせない。ストレスをためず、睡眠をしっかりとる。一日のカロリー摂取量も控えめにした方がいい。「カロリーオーバーは皮脂量の増加や肥満につながる」と大路院長は指摘する。

 それでも、フケが多く、生活に支障が出るようなら医師に相談したい。「治療すればなおる」(大路院長)し、放っておくとフケが毛穴にこびりつき、抜け毛の原因にもなる。

◇            ◇

■洗浄器具も多様に

 入念に洗えば手でも余分な皮脂は落とせるが、専用器具を使う方法もある。おしゃれのために爪が長く、うまく頭が洗えない女性にも利用者が多いようだ。パナソニックは今春、男性向けの電動洗浄器具「頭皮エステ(皮脂洗浄タイプ)」を発売した。シャンプー時に頭に当てると「ブラシが頭皮を挟むように動いて脂や汚れなどを出す」(同社)。女性向けに同種の商品を昨年発売。購入者の3割が男性だったのを受けて、ブラシの回転数を増やすなどしたタイプを追加した。価格は1万円程度。

 従来型の洗浄ブラシも種類が増えている。花王は昨年春に男性向けの「サクセス頭皮洗浄ブラシ(やわらかめ)」を発売。従来品よりブラシをやわらかくして、洗い心地のよさを高めた。ライオンも頭皮洗浄ブラシ「PRO TEC ウォッシングブラシ」のラインアップを追加、ブラシの毛の太さと硬さが違う2種類の商品を出している。

(編集委員 堀威彦)

[日経プラスワン2012年6月30日付]

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