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病気・医療

寝違え、春にご用心 3~4月は飲み会多く発生集中

 

2012/3/21 日本経済新聞 朝刊

 寝る前は何ともなかったのに、朝起きた時に首や肩に鋭い痛みが走り、動きがままならなくなる「寝違え」。実は送別会や歓迎会が重なる春先は、発生が集中する季節だという。1週間ほど安静にしていれば自然に回復するが、普段から首や肩の凝りを和らげておくと予防になる。長引く場合は、整形外科医などに相談するといい。

 寝違えは、起床時に起きる頸(けい)部や肩甲骨周辺部の急性の痛みを指す。地域によって「寝違い」や「寝たがえ」ともいう。頭を傾けなくなったり振り向けなくなったりと、症状は様々だが、動きがぎこちなくなり、関節の動く範囲が狭まる点は同じだ。日本大学医学部麻酔科の小川節郎教授は「分かりやすくいえば、就寝時のねんざと同じ」と、解説する。

熟睡時に余分な力

 熟睡している時は、筋肉が緩み、不自然な姿勢のままでもすぐに戻らず、筋肉や腱(けん)が長時間伸びたままになりやすい。頸椎や背骨にも余分な力がかかる。血行の不良や神経を傷めて炎症を起こし、寝違えを発症すると考えられている。

 男女を問わず幅広い年齢層で起こす恐れがある。和歌山県立医科大学の川上守教授らが2007年、20~80歳代の男女50人に寝違えに関する意識調査をしたところ、90%が「経験したことがある」と答えた。寝違えと無縁にみえるプロのスポーツ選手やボディービルで筋肉隆々の人でも、避けられない。

 飲酒後、深夜に帰宅し、そのまま布団にうつぶせで寝てしまう――。寝違えを起こしやすい行動パターンだ。

 明確な統計データはないが、3~4月は12月と並んで寝違えを起こす人が多いようだ。会社員の利用が多い新宿整骨院(東京・新宿)では「飲み会が続く季節は、寝違えの患者が増える」という。あきカイロプラクティック治療室(横浜市)の檜垣暁子副院長も「泥酔状態だと寝返りも少なく、頭が枕から落ちても気付かない。要注意」と指摘する。

痛み引いたら温め

 寝違えを起こしたら、どう対処するか。激しく痛むときは、安静にするのが一番。川上教授らの調査でも「湿布などをして自分で治すか放置する」と回答する人が、84%と圧倒的多数だった。

 湿布は、冷やすのか温めるのか、一時議論が分かれていたが、最近は「最初は冷やすのが一般的。24時間後あるいは痛みが軽くなってからは温めるのが基本」(日大の小川教授)になっている。

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