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エコノ探偵団

インド料理店 増えているって? ITビジネス、交流広げる エコノ探偵団

2011/12/12 日本経済新聞 プラスワン

 「身の回りにインド料理店が随分増えた気がする。何が起きているのかしら」。旺盛な好奇心を持つ近所の主婦が事務所にナゾを持ち込んだ。カレー好きの探偵、松田章司は「まだエスニック料理ブームが続いているのかな」と調査を始めた。

 章司はインド料理店数の統計を探したが見あたらない。そこで電話帳のデータを管理するNTT情報開発(東京都港区)にお願いして、このカテゴリーでの登録軒数を割り出した。

■4年前の5倍

 これによると、2011年3月現在で全国には1443軒あった。4年前の5倍近い急増ぶりだ。首都圏に限れば644軒で、全体の45%を占めている。

 「すごい勢いだ。日本のカレーよりもスパイスが豊かで種類も多いのが理由かな」。章司がインド料理店でランチを食べ始めると、同国の事情に詳しい日本総合研究所の時吉康範さん(44)が教えてくれた。「インドで勃興したIT(情報技術)のエンジニアやその家族の来日が以前よりも増えたからですよ」

 入国管理局の統計をみると10年末の在留インド人は2万2497人で06年末より19%増えた。うちIT技術者が多い「技術」資格の在留者は7%増の3515人。その間に観光客なども含む訪日数は13%伸び10年は7万2千人に達した。

 すると、先輩探偵の深津明日香が情報をくれた。「そんなIT技術者が約90人も働く場所があるわ」

 章司は明日香が教えてくれた新生銀行の目黒プロダクションセンター(同品川区)に急いだ。同社はコストを抑えるため、システム構築をインドのIT企業に委託している。ここに勤める技術者は主に本国との連絡役で、新生側のIT要員である約150人の日本人とは日常的に仕事上のやり取りをする。

 新生銀行の原田拓治さん(42)は「一緒にインド料理店に行き、仕事や家族の話をする機会はよくあります」と証言した。章司は思わずひざを手で打った。「レストランが両国のビジネスの接点になっている」

 外に出た章司にIT技術者のアニール・ラージさん(38)が近づいてきた。05年に副業で東京都心に開いた南インド料理店が評判になっている。客の20%はインド人で、70%が日本人だ。「IT技術者には私と同じ南部の出身者が多いので、ふるさとであるこの地域の料理を楽しめる店のオープンが目立っています」

 インド政府の資料によると、同国を訪問する日本人も増えている。10年は06年比で4割増の16万5千人に拡大した。「現地で味を覚えた日本人のニーズが高まったこともレストラン増の一因でしょう」。野村総合研究所の現地法人、NRIインド社長の中島久雄さん(48)が推測した。

 ニューデリーの日本大使館の調べでは、インドに進出した日系企業は10月現在で812社と5年前の3倍に膨らんだ。人口12億人の内需を狙う製造業が軸だ。

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