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健康づくり

ご飯は最後に 糖尿病防ぐ食事療法 野菜や魚を先

2011/11/30 日本経済新聞 朝刊

 野菜の目標摂取量は1日当たり約400グラム。今井教授は「朝昼晩に分けて食べれば決して難しくない」と話す。糖尿病対策の思い切った方法で、他の医療施設でも同じような効果を出せるのか検証はいる。梶山院長は「血糖値の変動を健康な人に近づける有望な療法になる」と展望する。

インスリン量減る

 ライオン歯科衛生研究所の武井典子・研究部副主席は「よくかんで食べると、インスリンの分泌量を抑えるのにつながる」と唱える。

 健康な男性9人に、1個100グラムのおにぎりを満腹になるまで食べてもらう実験をした。メトロノームに合わせて一口50回かんで食べる場合と、いつも通りにかむ場合とで食後の血糖値とインスリンの分泌量を比べた。食後の血糖値の変化は、2つの食べ方に違いはなかったが、インスリン分泌量はメトロノームに合わせて食べた方が少なくなった。

 一口50回かむことで、食事時間が平均35分と通常より15分以上伸び、食事量も平均528グラムと165グラム減った。「早く満腹感が得られ、糖の総摂取量が減った効果」(武井副主席)と分析している。

 回数を数えながらの食事は味気ない。武井副主席は「よくかんで食べるための10カ条」を作り、「実行しやすいものを習慣付ければいい」と付け加える。

 インスリンを作る膵臓(すいぞう)のベータ細胞は、急激な分泌を繰り返す食生活によって機能が衰え、年齢と共に分泌量も減る。糖尿病の発症を抑えるには血糖値を管理してベータ細胞の働きを維持する必要がある。

 これまではカロリー摂取量に注目した食事制限が中心だったが、それだけでは効果が限定的との見方が専門家の間で増えている。食べ方の重要性は重みを増しているが、まだ客観的に評価できる根拠あるデータが少ない。継続的な調査と研究が望まれる。

(編集委員 永田好生)

ひとくちガイド
《本》
◆食べる順番を変える食事療法の概要や参考メニューなどを解説する
 「糖尿病がよくなる!食べる順番療法」(梶山静夫、今井佐恵子著、新星出版社)
《ホームページ》
◆炭水化物の摂取を控える食事療法を紹介する
 「NPO法人糖質制限食ネット・リボーン」(http://reborn.prj.cc/npo/)

[日本経済新聞朝刊2011年11月27日付]

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