自宅で作れる 爽やかカクテル
何でもランキング
夏に映えるラムベース
立秋は過ぎたが、まだまだ暑さが続くこの時期、カクテルを楽しんでみてはどうだろう。グラスの中ではじける炭酸や氷の音が、のどの渇きとともに、暑さもいやしてくれる。自宅でも簡単にできる、おすすめの爽やかなカクテルを全国の実力派バーテンダー10人に聞いたところ、ジン・トニックが1位となった。
カクテルといえば、巧みなシェーカーさばきを思い浮かべる人もいるだろう。ただ、シェーカーを振り、空気をうまく混ぜるにはそれなりのテクニックがいる。今回対象にしたのはシェーカーを使わず、直接グラスに材料を入れて手軽に作れる「ビルド」タイプのカクテル。ジン・トニックはジンとトニックウオーターだけのシンプルな組み合わせだ。
今回ランク入りしたカクテルをみると、ベースの酒はラム系が目立つ。ミントのグリーンが爽やかさを演出してくれるモヒート(2位)や、フローズン・ダイキリ(5位)、ソルクバーノ(6位)がそうで、カイピリーニャ(4位)のベース、ブラジル産の「ピンガ」もラムと同様にサトウキビが原料。ラムは太陽が照りつける西インド諸島原産の蒸留酒で、夏のイメージとも合う。3位のウイスキー・ハイボールは2009年の秋以降、店頭に缶入りタイプのものも登場し、幅広い層に受け入れられている。
「最近はカクテルの『ライト化』が進んでいる」と話すのは、日本バーテンダー協会関東地区の酒向明浩本部長。カクテルを楽しむ女性が近年、じわりと増加傾向にあることや、消費者の健康志向を反映し、「アルコール度数の高いものは敬遠されがち」という。つまみには「ドライフルーツなどがおすすめ」と酒向さん。カクテルは基本的なものだけで3000ほどあり、フルーツなどで変化を加えればレシピは無限に広がる。自分なりの「オリジナル」づくりに挑戦するのも楽しい。
ノンアルコールも簡単
ノンアルコールのカクテルもできる。7位シャンディー・ガフなら、ビールの代わりにノンアルコールビールを使う。ビールとトマトジュースを合わせたレッド・アイにも応用できる。
ミントの葉をグラスに入れて、すりこぎ棒でつぶし、サイダーを注げば「クールコリンズ」の出来上がり。市販のスティックタイプの氷菓を、包装してある袋の上から軽くたたいた後、グラスに移し、サイダーを加える。ミントの葉を飾り、氷菓のスティックをマドラー代わりにすれば、アルコール抜きの涼しげなカクテルの誕生だ。
炭酸を使うカクテルはタンブラー(細長いグラス)の方が、はじける泡も楽しめ、見た目も爽やか。それ以外はロックグラスなどを使うとよい。
調査の方法 酒向氏の推薦でまず32種類のビルドタイプのカクテルをピックアップ。選者のバーテンダーに、その中から10種類選んでもらい、結果を点数化し集計。選者は次の通り(敬称略、五十音順、カッコ内はバーの名称と所在地)。
大石正志(BAR MARVELOUS 福岡市)▽大竹正起(BAR MASAKI 北海道北見市)▽古久根和歌子(ルーチェ 愛知県安城市)▽坂入正義(BAR Fortune 新潟県柏崎市)▽佐藤章喜(Dining&Bar Beso 大阪市)▽品川敬一(ポットスチル 秋田県大仙市)▽豊川新二(BAR-TOYOKAWA 徳島市)▽保志雄一(BAR保志 東京都中央区)▽水沢泰彦(Bar Tiare 東京都港区)▽横山和久(Cooktail Bar SAMSARA 岡山市)
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。