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安心・安全

災害から家族を守る ハザードマップ活用術

2011/6/5 日本経済新聞 朝刊

 日本損害保険協会は5月から、ネット上で「ハザードマップと一緒に読む本」(http://www.sonpo.or.jp/news/file/00581.pdf)を公表。洪水と地震を中心に、マップの活用方法のほか、浸水の深さや地震の大きさに応じて地域や人体がどの程度の影響を受けるかなどを具体的に説明している。

 ハザードマップを使って確認すべきことのチェックリストもある(表D)。こうした資料も参考になるだろう。

 ハザードマップを活用する上で考慮しておきたいのは、予測では安全とされる地域でも、実際の災害時は被害に遭う可能性があることだ。マップは過去に起こった災害に基づいて作製することが多い。東日本大震災のように過去最大級の災害が発生すると、被害が予測を大幅に上回る可能性もある。

 災害危機管理アドバイザーの和田隆昌さんは「ハザードマップはリスクの高低を示すもの。危険度のより高い場所には近づかないなど、災害発生時の行動の優先順位を付けるのに役立つ」と指摘する。事前の準備に役立てながら、災害の規模に応じて柔軟に対応する姿勢が重要だ。

(藤井良憲)

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保険見直しにも一役

 ハザードマップは災害時に自分や家族の身の安全を確保するだけでなく、リスクに応じて事前に保険の内容を見直すことで、家屋などの財産の補償を手厚くするのにも活用できる。例えば地震による大きな被害が想定されている地域では、火災保険の内容を見直して地震保険に加入することも選択肢になる。

 ファイナンシャルプランナーの清水香さんは、火災保険のうちあまり必要のない補償を削り、地震保険の保険料に充てることを提案する。

 例えば地盤の固い高台に自宅があれば、火災保険のうち「水災(洪水など)」の補償はあまり必要ない可能性がある。自宅のリスクを見極めて、削った保険料で地震保険に加入すれば「災害に対して補償の面で備えられる」(清水さん)ことになる。

[日本経済新聞朝刊2011年6月5日付]

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