デジカメ写真の整理術
年末年始の帰省や旅行で写真を撮りだめた人も多いだろう。そんな人にお勧めなのが、デジタルカメラや携帯電話で撮った写真を家族や友人と一緒に楽しむためのサービスだ。「フォトブック」と呼ぶ手軽な写真集にしてプレゼントしたり、インターネット上で同じ写真を見られるようにしたりもできる。手つかずだった写真で早速試してみよう。
「携帯電話で撮った写真でも、こんなにきれいな写真集になるなんて驚き」。東京都西東京市の主婦、小池裕子さん(仮名、59)が見つめるのはフォトブック。長女から携帯メールで送られてきた孫の写真に目を細める。半年前に初めて作り、今回まだ2回目だ。
同市内にあるコイデカメラひばりが丘パルコ店で、店員のアドバイスを受けながら機器を操作、2冊注文した。前回作ったものを長女が気に入り、「今度作るときは私の分も」と頼まれた。「プリントするとあれもこれもとなりがちだが、注文したフォトブックは20枚までと決まっているので結果的に費用も割安ですむ」と話す。
画像を1冊の写真集のようにまとめるのがフォトブック。レイアウトを指定したり、文字を入れたりして自分だけのオリジナル写真集作りが楽しめる。同店の大沢健店長は「子どもの成長記録をフォトブックにまとめて両親に渡したり、結婚式や旅行の写真をプレゼントし合ったりする人が増えている」と話す。
フォトブックは写真プリントのような印画紙タイプと、本のように写真を印刷するタイプがある。印画紙タイプは店頭で、印刷タイプはネット経由で注文するケースが多い。ネットだとよりレイアウトの自由度が高くなるが、納期は4日~2週間程度かかる。店頭では最短で、できあがりまで数十分で済む。「店頭の機器を使っての注文だと初めての人で約30分。事前に選ぶ写真を決めておくと時間短縮になる」(富士フイルム)
サイズやページ数、製本の仕方で金額は異なるが、15センチほどの正方形タイプ(10~20ページ程度)で、1000~2000円程度。1度に複数冊注文すると割引になるケースが多い。おしゃれなアルバムに写真を貼り付けて楽しむ人も増えているが、アルバムそのものが多くの場合1000~2000円程度し、20枚プリントすればプラス600円程度かかる。アルバムでプレゼントするなら、フォトブックの方が割安で手間も少なくて済むことが少なくない。表Aに主な会社のサービスをまとめた。
写真集で渡すのではなく、「好きな写真を選んでプリントして」というやり方が選べるのが、インターネット上の共有サービス。誰でも自由に写真をネット上にアップロード(掲示)できる無料サービスが人気だ(表B参照)。
写真サービスを手掛けるアスカネットが「フォトゲット」という名前で展開しているのもその1つ。ユーザー登録した人(管理者)が写真をネット上に保管する「写真部屋」(1部屋の容量は1ギガバイト)を5つまで作ることができ、家族や友人らに部屋に入るためのパスワードを知らせておけば誰でも写真をアップロードしたり、ダウンロード(入手)したりできる。
ペーパーボーイアンドコーが運営する「30デイズ・アルバム」もほぼ同様のサービスだ。1つの「アルバム」に500枚まで写真を保管できる。管理者以外でも最初に設定された「合い言葉」を知っていれば、閲覧や写真のアップロードができる。
「合い言葉」は日本語でも設定できるため覚えやすく、「パソコンに苦手意識を持つ人でも使いやすいようにしている」(同社)という。写真の保存枚数を増やせるといった有料プランも同社では用意している。
学校や幼稚園などのクラス単位やサークル、結婚式などで多くの人が撮影し、「友達が撮った写真も欲しい」といった場合、こうした共有サービスを使うと便利だ。写真に写っている人にプリントして渡すと費用も手間もかかるが、ネット上に各自が保管しておけば自分が欲しい分だけをプリントすればいい。
ネット上に保管した写真を使ってフォトブックを制作できるサービスもある。みんなが撮った写真を比べれば、もっといい写真を選ぶこともできる。これからの時期、卒業記念などに合わせてオリジナル写真集を作ってみるのもいいだろう。
(岩本隆)
[日経プラスワン2011年1月22日付]
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