おすすめのサイクリングコース
何でもランキング
レンタルで 絶景の中 快走
健康志向や環境配慮などからブームが続く自転車。自然の中を風を切って走るのは爽快(そうかい)だ。自転車が安全に走れることを目的に全国で整備が進んでいる「大規模自転車道」の中からおすすめを専門家に選んでもらった。
1位になったのは「瀬戸内海横断自転車道」。1999年に全線開通した本四架橋の「しまなみ海道」(西瀬戸自動車道)に並行するように走る。絶景に加え、レンタサイクルが充実しており、初心者でも本格的なサイクリングができる。
これまで自転車愛好家が遠出するときは、自転車を分解して袋に入れて鉄道などを利用する「輪行」や、自家用車に積んで行くケースがほとんどで、初心者にはハードルが高かった。レンタサイクル施設の整備が進み、初心者にも利用しやすくなってきた。軽快に走れる車種をそろえたところも増えている。
瀬戸内海横断自転車道のレンタル施設では2010年4月時点で約1000台の貸自転車のうち、約300台がクロスバイクやマウンテンバイクなど長距離や坂道に向くスポーツタイプ。子ども用も約150台、電動アシスト自転車も約50台ある。道沿いの14カ所の自転車ターミナルで扱っており、乗り捨ても可能。全線を走破する本格派から、短い距離を走る家族連れまで幅広い層が楽しめる。
10位内のすべてで、周辺地域まで含めるとレンタサイクル施設が見つかる。2位の「メイプル耶馬サイクリングロード」のように、2人乗りが可能なタンデム車などユニークな車種を用意している所もある。
気をつけたいのが事故。「自転車道」と名が付いているが、自転車専用ではなく、歩行者と兼用のところが大半だ。専門家は「歩行者を優先してスピードダウン」(相宅浩一さん)、「自転車は車両なので道の左側を走ろう」(門岡淳さん)などと注意している。
「出雲路」「利尻」推す声も多く
大規模自転車道は国土交通省が指定し都道府県が整備する道で全国に135路線ある。「何でもランキング」は7年前も同じテーマで掲載。前回は整備を終えた60路線を比べたが、09年度末で約85%が整備済みのため、今回は全路線を対象とした。今回は11位以下だったが、前回7位の出雲路や8位の利尻島の自転車道を推す声も多かった。
調査の方法 隣接する道や愛称が同じなど同一と見なせるものは1つのコースとして扱った。選者にはおすすめのほか「初心者・家族向け」などの観点で挙げてもらい、集計した。選者のうち9人は7年前の前回も参加、残る4人も前回と同じ組織に所属する。選者は以下の通り(敬称略、五十音順)。
相宅浩一(パナソニックサイクルテック企画部)▽岩田康裕(あさひネット営業課課長)▽門岡淳(サイト「自転車ツーリング再生計画」主宰)▽新庄良太郎(ミヤタサイクルブランドマネジメント部)▽中堀剛(「ニューサイクリング」編集顧問)▽中村博司(自転車博物館サイクルセンター事務局長)▽名和博(サイト「自転車・峠おやじ」運営)▽野沢伸吾(ワイズロード志木店店長)▽疋田智(「自転車ツーキニスト」著者)▽宮内忍(八重洲出版自転車事業部)▽村山友宏(「ファンライド」編集長)▽山口博久(「バイシクルクラブ」副編集長)▽渡部裕雄(ブリヂストンサイクル販売企画部)
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