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家庭科で保育や介護 男性も家事「当たり前」に 男女必修から20年

2013/6/12

 中学・高校で家庭科が男女必修になり約20年が過ぎた。「男子厨房に入るべからず」の時代は遠くに消え去り、調理や裁縫など家事だけでなく、保育や介護なども家庭科で体験するようになった。より実践的な授業内容にすることで、家事分担などができる男子を育て、少子化対策などに役立てる狙いだ。生徒の意識も変わってきた。

■日本で生きることを学ぶ内容

手縫いやミシンを使ってエプロンを作る浦和高校の男子生徒(さいたま市)

 「返し縫いって難しいな」「あれ、寸法が合っていない。なんでだろう」。男子校の埼玉県立浦和高校では高校3年生で家庭科は必修教科。家庭科専用の別館に集まった男子生徒たちは、2学期の調理実習で使うためのエプロン作りに励んでいた。

 慣れた手つきで布にアイロンをかけ、手縫いやミシン縫いに熱中する。「男子校で家庭科の授業を受けるとは思っていなかった」と話す生徒もいたが、増沢龍一君と小林龍太君は「男女共同参画社会にするためにも、日常生活に関わる家庭科は性別に関係なく学んだほうがいい」ときっぱり。野川大気君も「生きていくのに必要なスキルを身につけられる」と笑顔で話す。

 日本では1993年に中学、94年に高校で家庭科が男女必修になった。中高生はそれまで、男子が技術、女子が家庭科を別々に学んでいたことがあった。家庭科では、子育てや介護体験などに加え、指導要領の改訂で、日本の伝統文化を学ぶ項目も含まれた。家庭科を履修することでより深く日本で生きることについて学ぶ内容になっている。

 浦和高校の授業では、被服製作や調理実習のほか、赤ちゃんの人形を使った保育体験や、実際に車いすに乗ったり、目にアイマスクをつけて2人1組で校外を歩くといった全盲体験も取り入れるなど介助についても学んでいる。家庭科を担当する山盛敦子教諭は「男子校なので、座学だけでなくなるべく体を動かして学ばせるよう工夫している」と話す。

 男子生徒が多い富山県立砺波工業高校でも、乳幼児や高齢者理解のための体験学習を積極的に取り入れている。同校の特色は、ものづくりを家庭科に取り入れていること。近くの老人ホームを訪問する際は、車いすを整備したり、高齢者がリハビリにも使える機械などを作製したりして贈っている。

 また、授業で訪問する保育所に通う子どもを高校の体育祭に招待。生徒が作った遊具を使い、一緒に競技に参加して触れ合う。永井敏美教諭は「こうした体験を通じて、生徒は自分自身を見つめ直し、周りの人についても考えるきっかけになっている」と説明する。

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