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ブームの予感(日経MJ)

部数3割増 男性ファッション誌が絶好調の理由 雑誌不況下、30~40代が熱い支持

2013/1/13

 雑誌市場の縮小が止まらない。2012年の推定発行部数は5年前より26%減ったもようだ。そのなかで健闘しているのが30~40代男性向けファッション誌。出版科学研究所(東京・新宿)によると同ジャンルの12年の部数は前年を3割弱上回ったとみられる。インターネットに情報が氾濫する今、なぜ雑誌に手を伸ばすのか。探ってみると、おしゃれに一段と気を使いはじめたこの世代ならではの事情や、需要に応じた売り場の変化が浮かび上がる。

■リニューアル後、倍に伸びた雑誌も

男性ファッション誌が並ぶ売り場(東京都豊島区のファミリーマートサンシャイン南店)

 神奈川県藤沢市の森竹大輔さん(41)は1年ほど「LEON」(主婦と生活社)を愛読、年間購読も検討中だ。きっかけは10キロ減量の成功。新しく服を買うならいいものを、と考えたが、自分の好みのコーディネートを「ネットではうまく探せなかった」ため、自然と雑誌に手が伸びた。

 森竹さんと同様に男性ファッション誌に関心を寄せる30~40代男性が増えている。この世代がターゲットのタイトルの推定発行部数は、12年に前年を2割強上回る380万部前後になったもよう。出版科学研究所がデータに同ジャンルを設定した04年以降で最多だ。

 類似のライフスタイル誌も堅調で、前年並みの水準を維持している。30~40代男性ファッション誌とライフスタイル誌を合わせた発行部数は約5%増になる。

 実売も好調だ。12年はインターナショナル・ラグジュアリー・メディア(東京・新宿)の「OCEANS(オーシャンズ)」が前年より5割増えた。集英社「UOMO(ウオモ)」も4月のリニューアル後、前年同月の2倍に達する。

■「教科書」としての信頼感と親近感

 雑誌の業界関係者によれば、もともと今の30~40代は「インターネットではなく、紙媒体で情報を得ていた最後の世代」。東京都墨田区在住の会社役員、有薗悦克さん(38)も「ネットの情報には提案やうんちくがない。久しぶりに服を買おうと思ったときには向かない」と言う。森竹さんや有薗さんのように、雑誌に対して「教科書」としての信頼感や親近感を抱く人は少なくない。これが雑誌回帰の素地となっている。

 出版社も雑誌作りに際し、こうした読者ニーズに配慮する。エイ(エイは木へんに世)出版社(同・世田谷)の「2nd(セカンド)」は読者が自分の着こなしをイメージしやすいよう、外国人モデルは使わない。松島睦・編集局統括は「雑学などに価値があると考える30~40代男性は多い」とみて、服の手入れなどの実用情報やうんちくの充実を心がける。

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