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BBQ・にんにく・刺身…丑の日直前、老舗が挑むウナギ革命

2012/7/25

 これまでにない価格高騰の逆風下で迎えそうな今年の丑(うし)の日(7月27日)。アタマが痛いのはウナギ好きな我々だけでなく客離れに悩む一流の老舗も同じだ。江戸時代から続くかば焼き中心のメニューを変えたり、価格を見直したりする動きが各地で出てきている。全国の老舗が選んだ選択肢は大きく分けて(1)創る(2)まぶす(3)据え置く(下げる)――の3つ。変革に挑む丑の日直前の動きを追ってみた。

「いづもや」の蒲の穂焼きは2100円(税込み)。「ウナギといえばかば焼き」の先入観を砕く

 東京・日本橋の「いづもや」は「蒲(がま)の穂焼き」を新たにメニューに加えて売り出した。約15センチのウナギを輪切りにして串に刺し、塩だけで味を付けた。日本古代の食べ方を独自に研究して再現したという。見た目には欧風のブロシェット(串焼き料理)に似ている。ウナギ料理といえばかば焼きの甘辛いタレが思い浮かぶが、蒲の穂焼きはすっきりとした味が特徴だ。小骨に川魚らしいうま味が凝縮されているようで、かんでいるうちにウナギ独特のほのかな甘みも感じられた。

■創る

 ウナギは明治時代の料理人が「100年後の豆腐や寿司(すし)は食べ方が変わっているだろうけれどウナギは変わらない」と予想したというほど、かば焼き中心の世界。特に蒸し焼きにする関東風の調理方法は、それが完成した江戸時代の時点で技術的に頂点を極めたとする声もあるほどだ。しかしいづもやの岩本公宏専務は「100年以上も同じままなのは寂しい。新しい味に挑戦したい」と意気込む。同店ではウナギの魚醤を作り、つけ焼きにする新メニューも開発した。

大江戸の「大丼」(3600円、税抜き)は大人の男性でも食べるのが大変なボリューム

 「大江戸」(東京・日本橋)は業界で3P(1キロ当たりウナギ3匹)と呼ぶ大型ウナギを使った「大丼」の提供を始めた。高級店のかば焼きは通常5Pといわれる細身のものを用いる。3Pは5Pに比べ脂がきつい、皮が硬くなる、小骨が多い――などと一段落ちる存在だった。大江戸では従来の倍近い時間をかけて小骨を抜くなどの下処理を施し、大ぶりの丼で客に出す。ウナギのエネルギーがそのまま埋め込んであるような料理に仕上げてみせた。他のうなぎ料理店でも続くケースが出てきそうだ。

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