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ブランド品より真空管アンプ オーディオ女子増殖中

2012/3/3

 長く「男子専科」の印象が強かったオーディオ機器の分野に、女性のマニアが現れた。カメラ女子、鉄女(鉄道マニア女子)、歴女(歴史マニア女子)にならって「音女(おとじょ)」「オーディオ女子」と呼ばれる彼女たちは、不振の家電業界の救世主となるか?

■5万円のヘッドホンを買う女性

 異変が起きたのは、毎年11月に開かれている音響機器の展示会「東京インターナショナルオーディオショウ」の会場だ。「若者のカップルのほか、若い女性が1人で見に来るようになった」。こう説明するのは、ソニーのオーディオ部門のエンジニア、西尾文孝さん(ホームエンタテインメント事業本部システム・デベロップメント・マネジャー)。自身も筋金入りのオーディオ・マニア。長年、この展示会に出席しているが、2年ほど前から「男性客に交じって色々なブースで真剣に試聴する姿を頻繁に目撃するようになった」という。

店頭には女性を意識した商品も目立つ

 男性客ばかりだったオーディオ販売店にも女性が訪れ始めた。東京・秋葉原で創業47年、「アキバ系」ショップの間で生き残った高級オーディオ専門店「ダイナミックオーディオ5555」にも最近よく女性が買いに来るという。同店のアドバイザー、塘田雅敏さんによると、オーディオ女子の予備軍は「おそるおそる1階のヘッドホン売り場に現れ、手始めに2千円台のおしゃれな製品を購入する」。中には5万円近い高級品まで水準を切り上げても満足できず「ついに2階のコンポーネント売り場へと階段を上り、インテリアとしても見栄えのいい小型スピーカーに到達する女性がいる」。売れ筋はデンマーク製の「DALI」、イタリア製で革張りの「Toy」といった美形のスピーカーだ。コアな男性マニアのアイテムと思われてきた真空管アンプも、イタリアのオーディオメーカー「キャロット・ワン」がおしゃれなヘッドホンアンプとして売り出したところ、早速女性が目を付けた。

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