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「ニッポンの役に立ちたい」 もうひとつのトモダチ作戦 外国人ボランティア、被災地で奮闘

2011/8/9

津波の影響で家屋に流れ込んだがれきの撤去は重労働だ

■「日本行き」反対の家族を説得

 はるばる海を越えて奉仕する彼らを突き動かすものは何なのか――。カリフォルニア州フラートンの大学に通うベス・ワージントンさん(20)は「言語も文化も異なる日本は遠い存在。震災前は自分が日本を訪れるとは思ってもいなかった」と打ち明ける。しかし「震災のニュースを見て、心が動かされた。実際に被災地に行って、助けなくてはならないと感じた」と話す。

 ニューヨーク州バッファローの大学生フランク・アンさん(23)も「命を落とした人のことを考えると心が痛む。せっかくの夏休みを無駄にしてはいけない」とボランティアを決意した。

 外国人ボランティアの家族の多くは、福島第1原発の事故の影響を心配して、彼らの「日本行き」に当初は反対した。ただ、彼らの熱意を理解し、サポートに回ってくれた家族も多いという。

5カ月がたっても手つかずの建物が多く、がれきやゴミが山積みになっている

 米国からの場合、日本に来るための費用は1人当たり約4000ドル。学生たちは、知人に手紙を送って支援を募ったという。「自分の分も被災地のために働いてきて」と彼らを応援してくれる人も少なくないそうだ。彼らの滞在期間は約2~4週間。観光する予定はほとんどなく、ボランティア活動に終始して離日する。

■被災地で高い評価

 外国人ボランティアたちのまじめな仕事ぶりは、被災地でも高く評価されている。自宅の清掃を彼らに手伝ってもらったという気仙沼在住の小野寺由美子さんは最初、「なんでわざわざ日本まで来てくれたのだろう」と驚いたという。だが、彼らの働きぶりを見て「今までで一番、片付いた。本当にありがたい」と涙ぐみながら感謝の気持ちを表現する。「家がきれいに直ったら、遊びにきてほしいとみんなと約束した」

泥がたまった床は、ほうきで掃くと大量の砂ぼこりが舞い上がる

 午後5時。一関ベースに戻って来たボランティアたちの中に、リーダーとして学生たちを引き連れてカリフォルニア州サンノゼから来たビクター・クォンさん(57)がいた。「1軒1軒、助けていく。小さい努力かもしれないが、それが大きな被災地復興につながる。こういった支援をこれからも続けなくてはならない」と力を込める。ビクターさんは、来年もまたボランティアとして被災地に来る予定だ。

 米国は震災直後から米軍による「トモダチ作戦」を展開し、支援活動をおこなった。在日米大使館のカレン・ケリー報道官は「トモダチ作戦は終わったが、米国政府と米国人による支援は続く」と話す。これからボランティアに参加するという、サンモール・インターナショナルスクール(横浜市)で中高等部校長を務める米国人トレント・シトラノさんも「トモダチ作戦の精神は民間レベルに根付いている」と力を込める。

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