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裏読みWAVE

伊藤、加藤、斉藤…「○藤」さん誕生の謎 編集委員 小林明

 

2010/11/26

 今回も「名字の不思議な勢力分布」について紹介する。

 前回は「佐藤・鈴木」が東日本に多く、「田中・山本」が西日本に多く分布し、その東西の境界は太平洋側が関ケ原(岐阜県)、日本海側が飛騨山脈と親不知(新潟県)の断がいにあるということを調べた。今回はそれ以外の名字の秘密について取材してみた。

 まずは「○藤」という名字。

 全国名字ランキングをながめてみると、下に「藤」がつく名字が結構多いのが分かる。佐藤、伊藤、加藤などがその典型だ。

 表1を見てほしい。

 上位40位のうち、「○藤」さんという名字は、佐藤(1位)、伊藤(6位)、加藤(10位)、斉藤(20位)、斎藤(21位)、後藤(33位)、近藤(35位)、遠藤(38位)の計8個。さらに上位100位まで調べると、68位に安藤、72位に工藤が入り、合わせて10個にのぼった。つまり、上位100の名字のうち、10%を「○藤」さんという名字が占める計算になる。

 名字研究家の森岡浩さんによると、こうした「○藤」さんは、基本的に藤原氏の末裔(まつえい)であることが多いそうだ。ただ、平安時代に藤原一族が朝廷の要職を席巻したため、藤原とは別の名字を名乗る必要が生じ、自分の領地や職業と、藤原の「藤」を組み合わせた新しい名字をつくったらしい。

 それなら、実力者、藤原氏の一族であることを示しつつも、藤原氏と区別した名字を名乗れるからだ。

 では、「○藤」さんの名字について、それぞれの由来を見てみよう。


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